今月紹介する花は鷹羽ススキと桔梗です。桔梗の花言葉は「誠実」でススキの花言葉は「活力」です。鷹羽ススキは鉢植えでもう20年くらいになりますが、今年もきれいな葉を見せてくれました。何事にもこの花言葉のように取り組んでいきたいと思っています。
鷹羽ススキと桔梗
さて、第一回のこのブログで「高血圧は万病のもと」とお話をしました。
今回は、血圧測定のいろいろをお話します。
高血圧治療では、家庭血圧を測ることが基本ですので、高血圧症の患者様皆さんには自宅での血圧測定をお願いしています。すると、自宅血圧を測定始めた方からいろんな質問がきます。よく受けるのは、測るたびに血圧値が異なることから、家庭血圧はあてにならないのではという質問ですが、血圧は一心拍ずつ変動し、自律神経(緊張等)の影響を受けやすく、変動しやすいものですと説明して、測定を継続していただいております。
日本高血圧学会のガイドラインでは、2回測定してその平均を記載するとなっています。平均するのが手間なかたには、測定結果をすべて記載いただいてもOKです。最近では、「手書きしなくていいので血圧手帳より簡便ですし、すべての記録がみられますよ」と血圧計と連動したスマホのプリントを持ってこられる高齢の患者様もおられます。徐々にIT化が患者さんにも浸透してきているようです。
血圧はいつ測定するのがいいのかに関しては、一日一回測定するなら、朝、起床後、排尿後、朝食前に、1〜2分安静後、座位で測定してくださいと説明しております。そして、できれば夕方も時々測定していただき内服後の血圧として参考にしております。こうして記載していただいた家庭血圧は、診療に大変役立ちます。
さて、医師が高血圧診療を行う際に気を遣うのは、それぞれの患者様の血圧の目標をどう決めるかです。
高血圧の基準は140/90ですが、2019年に日本高血圧学会は、近年のデータに基づき、高血圧治療の目標値を変更しました。以前は、75才以上で持病のないかたは、150/90を降圧目標にしていたのが、140/90(家庭血圧では135/85)に低下され、75才未満の高血圧以外の持病のないかたは、140/90から130/80未満に下げられたことです(家庭血圧では125/75)。また、疾患の有無で、目標値が異なってきますので(下表参照)、個別治療が必要です。医師と相談のうえ、ご自身の血圧の目標値を確認していただくことが大切となってきます。例えば、超高齢者の皆様では、血圧の下がりすぎは脳循環、冠循環が悪くなるので好ましくないこともあり、降圧目標の設定が大切な所以です。
また、高血圧を放置している人が多いことが高血圧学会から報告されていますので、血圧治療をどう開始するかで悩まれているかたはぜひ受診してご相談ください。
高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)より