比較的穏やかな日が続いていましたが、急に寒くなってきました。
しかし、ありがたいことに新型コロナやインフルエンザの流行は今のところほとんどないようです。我が家のバルコニーは最近は花の少ない状態となっていましたが、小菊が咲き始めてくれました。父から10年ほど前に譲りうけたものですが、毎年咲かせてくれます。写真はエンジ色ですが、その他、白とピンクが咲いています。少し華やかになりました。

11月の小菊の写真

さて、寒い季節に多く発症する病気の一つが心臓病ですが、今回は、心臓病のなかでも最も注意しないといけない疾患の一つである心筋梗塞の話です。
典型的な症状は胸痛です。動いた時、例えば坂道を上る時に胸が締め付けられるというのは狭心症の症状ですが、この心筋梗塞は、安静時でも発症します。発症時に極めて強い胸痛を感じ、それが30分以上持続し、冷や汗、吐き気を伴ってくるわけで、多くの場合この段階で救急車を呼ばれると思います。

特に今回強調したいのは、心筋梗塞の症状が典型的でないことがあることです。
例えば、吐き気がつづく、心窩部が痛む、胃が痛いという症状で来られ、あわてて胃カメラなど依頼しようものなら大変です。また、数日前に胸痛があったがその後は何もない、ただ、とにかくしんどい、息苦しいという症状も注意です。これは以前この項でもお話した(2020.11.16「そのしんどさは心不全?」)心不全の状態になっています。心筋梗塞によって、心臓の働きが悪くなって、心不全の状態になります。或いは、時々左肩が痛いという症状があり、結局心筋梗塞に進んでしまっていたという例もあります。いずれも、心電図検査と血液検査である程度、心筋梗塞の診断がつくことが多いですので、胸部症状があれば、軽い症状でも、とにかく一度クリニックを受診していただければと思います。